2026年10月に、このサイトに届いた攻撃の記録をまとめた月報です。数字はすべてこのサイトのサーバーのログから集計した実際の値です。

2026年10月は、攻撃パターンの検出が 6,595 件、ブロック(BAN)が 807 件、攻撃元の IP アドレスは 1,117 個でした。

概要

項目 2026年10月 2026年9月(増減)
攻撃パターンの検出 6,595 -
ブロック(BAN) 807 -
攻撃元の IP アドレス 1,117 -
1日あたりの検出 314.0 -

※ 2026年9月は記録を取り始める前のため、比較はできません。この月の記録は 10月11日からのもので、1日あたりの検出もその日から数えています。

日別の推移

最も多かったのは 10月24日(636件) でした。 曜日ごとの平均では 土曜日(380件)が最も多く、金曜日(258件)が最も少なくなりました。

xychart-beta title "2026年10月の日別の検出数とブロック数" x-axis ["1", "2", "3", "4", "5", "6", "7", "8", "9", "10", "11", "12", "13", "14", "15", "16", "17", "18", "19", "20", "21", "22", "23", "24", "25", "26", "27", "28", "29", "30", "31"] y-axis "件数" bar [0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 408, 147, 263, 324, 292, 264, 170, 288, 430, 577, 277, 378, 234, 636, 212, 312, 254, 278, 241, 276, 334] line [0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 65, 19, 36, 48, 34, 40, 22, 38, 55, 97, 38, 56, 25, 57, 25, 23, 21, 25, 30, 22, 31]

棒グラフが検出、折れ線がブロックの件数です。

攻撃の種類

種類 件数 割合 2026年9月(増減)
SSHログイン総当たり 5,870 87.0% -
不正な通信 281 4.2% -
その他の探索 272 4.0% -
設定・認証情報の窃取 153 2.3% -
WordPress狙い 63 0.9% -
コード実行・侵入 44 0.7% -
PHP脆弱性探索 40 0.6% -
管理ツール探索 16 0.2% -
大量アクセス 5 0.1% -
ログイン総当たり 1 0.0% -
フォームへの悪戯 1 0.0% -
pie showData title 攻撃の種類(件数) "SSHログイン総当たり" : 5870 "不正な通信" : 281 "その他の探索" : 272 "設定・認証情報の窃取" : 153 "WordPress狙い" : 63 "コード実行・侵入" : 44

最も多かった「SSHログイン総当たり」は、サーバーの管理用の入り口(SSH)に、パスワードを次々に試す総当たり攻撃です。

対策: SSH は鍵認証だけにしてパスワードでのログインを止めると、総当たりは成功しなくなります。

よく狙われたパス

このサイトには存在しない、攻撃の対象としてよく知られたパスへのアクセスです(2 個以上の IP アドレスから届いたものの上位10件)。

パス 推定した攻撃 回数 IP 数
/.env 設定・認証情報の窃取 35 25
/.git/config 設定・認証情報の窃取 22 14
/index.php PHP脆弱性探索 9 5
/xmlrpc.php WordPress狙い 9 9
/wp-login.php WordPress狙い 7 5
/actuator/health コード実行・侵入 6 6
/owa/auth/logon.aspx 管理ツール探索 5 5
/HNAP1 コード実行・侵入 4 3
/autodiscover/autodiscover.json コード実行・侵入 4 4
/boaform/admin/formLogin コード実行・侵入 4 4

攻撃元の国

攻撃と判定した記録のある IP アドレス 1,117 個を、IP アドレスから推定した国ごとに数えました(上位10か国)。攻撃者は他国のサーバーを経由することが多いため、国は攻撃者の所在地を示すものではありません。

国 IP 数 件数
アメリカ合衆国 (US) 219 1,346
中国 (CN) 191 1,067
中華人民共和国香港特別行政区 (HK) 57 296
大韓民国 (KR) 52 824
インド (IN) 44 268
ドイツ (DE) 43 215
ブラジル (BR) 41 236
ベトナム (VN) 40 257
インドネシア (ID) 35 217
シンガポール (SG) 33 219

危険度の高かった攻撃元

危険度は、攻撃の種類・回数・ブロックされた回数から算出した 0〜100 の目安です。IP アドレスは最後の部分を伏せています。

攻撃元 推定した国 危険度 推定した攻撃 検出 期間
135.237.122.xxx アメリカ合衆国 (US) 高 100 SSHログイン総当たり 12 10/11〜10/31
61.72.55.xxx 大韓民国 (KR) 高 100 SSHログイン総当たり 13 10/11〜10/24
202.165.22.xxx マレーシア (MY) 高 100 SSHログイン総当たり 18 10/11〜10/24
209.99.190.xxx アメリカ合衆国 (US) 高 100 SSHログイン総当たり 12 10/11〜10/25
51.254.136.xxx フランス (FR) 高 100 SSHログイン総当たり 11 10/12〜10/25
209.99.190.xxx アメリカ合衆国 (US) 高 100 SSHログイン総当たり 23 10/13〜10/24
46.188.119.xxx ロシア (RU) 高 100 SSHログイン総当たり 13 10/13〜10/24
221.156.126.xxx 大韓民国 (KR) 高 100 SSHログイン総当たり 17 10/14〜10/31
147.50.231.xxx タイ (TH) 高 100 SSHログイン総当たり 13 10/14〜10/24
20.102.98.xxx アメリカ合衆国 (US) 高 100 SSHログイン総当たり 11 10/15〜10/29

今月の考察

1. 攻撃の大部分を占める「SSH総当たり攻撃」 検出された攻撃(6,595件)のうち、実に87.0%(5,870件)が「SSHログイン総当たり」であることが最大の脅威傾向です。危険度の高い上位10件のIPアドレスもすべてSSH総当たりを行っており、期間中(10/11〜10/31)持続的に攻撃を続けているものもあります。 これは、特定のサイトを標的にしたというよりも、ボットネットがインターネット上のサーバーを手当たり次第にスキャンし、デフォルトのポート(22番)で応答するサーバーに対して自動的に辞書攻撃を仕掛けている典型的なパターンと考えられます。

2. 情報漏洩を狙った「Webアプリケーション層への探索」 Web経由の攻撃として注目すべきは、「設定・認証情報の窃取」を目的とした /.env や /.git/config へのアクセスが上位を占めている点です。 これらはクラウドやモダンな開発環境でよく使われるファイルであり、データベースのパスワードやAPIキーなどの致命的な情報が含まれています。WordPress(/xmlrpc.php, /wp-login.php)への探索も一定数見られますが、攻撃者はCMSの脆弱性だけでなく、設定ファイルの不用意な公開設定を積極的に探し回っていることがわかります。

3. 攻撃元IPの分散と「踏み台」の利用 攻撃元IPアドレスが1,117個に上り、検出数(6,595件)に対してブロック数(807件)が抑えられていることから、攻撃者が少数のIPから大量にアクセスするのではなく、多数のIPアドレスから少しずつ、あるいは分散して攻撃を行っていることが推測されます。 また、攻撃元の国として米国や中国が上位に挙がっていますが、これは当該国のクラウドサービス(AWS、Azure、アリババクラウドなど)のサーバーが乗っ取られたり、VPN・プロキシなどの「踏み台」として悪用されたりしているケースが多いことを示唆しています。危険度上位IPの国籍も世界中に散らばっています。

4. 曜日・日付による稼働の偏り 10月24日(土曜日)が636件と最も多く、曜日別でも土曜日がピークとなっています。攻撃を自動化しているボットネットの運用者が、システム管理者の監視が手薄になりがちな週末を狙ってスキャンのペースを上げている、あるいはマルウェアに感染した一般の端末(ボット)が週末に起動される割合が高いなどの可能性が考えられます。

5. 推奨される今後の対策 今回のデータに基づき、システムをより堅牢にするための具体的な対策は以下の通りです。

  • SSHへのアクセス防御(最優先)
    • レポートの対策にもある通り、SSHのパスワード認証を無効化し、公開鍵認証のみにすることが最も効果的です。
    • 加えて、SSHの待受ポート番号をデフォルトの22番から別の番号(例:10000番台以上)に変更するだけで、自動化された無差別スキャンの大半を回避できます。
    • アクセスを許可するIPアドレスを、管理者やオフィスのIPのみに制限(IP制限)できればさらに安全です。
  • Webサーバー層の防御
    • /.env や /.git などの隠しファイル・ディレクトリに対するアクセスを、Webサーバー(NginxやApacheなど)の設定で完全に拒否(403 Forbidden)するように設定します。
    • 可能であればドキュメントルート(公開ディレクトリ)の階層を見直し、設定ファイルが公開ディレクトリよりも上の階層に配置されるように構成を変更してください。
  • 自動防御メカニズムの強化
    • Fail2banなどのツールを引き続き活用し、一定回数以上の認証失敗や不正なパスへのアクセスを検知した時点で、ファイアウォール(iptables/ufwなど)レベルで自動的にIPをブロックする運用が有効に機能しています。ブロックのしきい値を調整することで、より早期の遮断が可能です。

日ごとの記録

日ごとの詳しい記録は、セキュリティ日報にあります。

24日 ・ 25日 ・ 26日 ・ 27日 ・ 28日 ・ 29日 ・ 30日 ・ 31日


数字はサーバーのログから集計しています。攻撃元の IP アドレスの一部は伏せています。